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ライアル・ワトソン「アフリカの白い魔術師」  

2009年 06月 21日

福岡伸一「動的平衡」に、次作ライアル・ワトソンの翻訳「エレファントム」が近日出版予定、とあったので、早速ライアル・ワトソンの「アフリカの白い魔術師」を購入。
 
「エレファントム」の予告のような形で、くじらと象のコミュニケーションらしきことが伊藤若冲の「鯨象図」とともに書かれてあったので。

探検家の書き記した旧きアフリカに憧れ、16歳で未開の奥地へと移り住んだイギリス人がいた。エイドリアン・ボーシャというその青年は、てんかん症とヘビ取りの才能が幸いして、白人ながら霊媒・占い師の修行を受け、アフリカの内なる伝統に迎え入れられた。人類の300万年の進化を一人で再現することとなった男の驚異のドキュメント。

と文庫本の裏にある。
9つの学位をもつ科学者ライアル・ワトソンのこの作品は、イギリスでベストセラーになる。

人間が科学の発展とともに、忘れていったのかもしれない自然との調和
宇宙の呼吸との調和

そういったのものを感じたい
と漠然と思う。

エイドリアン・ボーシャという青年は、イギリスで生まれたが第2次世界大戦でアメリカに渡り、母の再婚で16歳で導かれるようにヨハネスブルクに移住する。
宿命とか、星の下に生まれるということがあるのかもしれないと、彼の生涯を読んで思う。
アフリカ探検に非常に心引かれていた彼は、単身サバイバル生活を送る。

そのなかで、彼は、人類発祥の地での文明の証を発見していく。

この本は、エイドリアン・ボーシャという青年の短い生涯を通して、アフリカの神秘的な儀式とその示唆するもの、考古学的な人類発祥の文明の痕跡を検証していくという形をとっている。

最後に、雨ごいの儀式に必要だった忘れられたドラムを、導かれるように洞窟で発見し、その地で長年途絶えていた儀式を復興させるのに、彼は大きな役割を果たす。
そして、雨は再び大地を潤したのだ。

目に見えないもの。
「動的平衡」で、「ミクロな細胞間の動的な平衡」というような表現が随所に見られる。
目には見えないけれど、大自然の大いなるものに働きかけようとする儀式や祈りといった意志は、「動的平衡」を保つ手段のひとつかもしれないと感じた。




by hujimusume | 2009-06-21 09:37 | 書評

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